紅葉が盛りで、美しい日本の里山の中に立つ1件宿だった。
お湯がいいとの評判で、以前から何度か予約を取ろうとしていたが、電話応対のあまりの気のなさに、気がそがれて断念していた宿。行ってみるとサービス精神はないが、田舎の人達の素朴な対応で、応対自体は悪いという印象はなかった。
夕食は6時。朝食は7時半。お風呂は夜は9時まで、朝は6時半から。夕食時にはこだわりの食についての説明があり、地産地消の薬膳料理が並ぶ。男性には少々ボリュームが足りないかもしれないが、健康食にこだわったという料理は女性受けすると思う。
入浴時間が短いのは、冷鉱泉の為沸かしているのと、湯あたりの可能性がある?ためか。13度の冷泉の小さな浴槽も隣にあり、交互に入るようにレクチャーがある。
塩素殺菌を行わず、毎日入れ替えて掃除するとのことだった。
脱衣場にはアトピーや便秘等が改善したという人達の礼状と鉱泉水の注文の手紙が数多くはってあり、20ℓ1000円で販売しているとのこと。容器代は別に1000円。この水を買うには必ず効能や飲み方のレクチャーを受けねばならないらしい。
レクチャーは長野県温泉協会が独自に指定した、温泉療養指導士第1号のご主人が行うが、息子さんらしい若主人始め女将も従業員も、きわめてこだわりを持っているのが伺える。
容器があれば水だけ売ってもらえるとのことだったので、飲泉しようかとポリタンクに入れてもらえるように頼んだが、なんやかやと納得できない理由で独自の容器を購入しなければ売れないという、上から目線だった。
いろんな話を黙って聞いていたが、温泉医学会員のはしくれとしては素直にうなずけない事もあった。医師の立場としては思うところもあったが、温泉が療養の役に立つことも事実なので何も言わず、納得のいかない理由で容器を購入する程の価値がある鉱泉とも思わなかったので、買わずに帰ってきた。
このあたりのエリアには似たような成分を持つ鉱泉も多いようで、個人的には帰途立ち寄った二本木の湯の方が数倍感動した。
夜9時から朝6時半まで風呂のある母屋には立ち入れないよう鍵がかけられ、客室棟は孤立する。反対側のドアも鍵がかかってあかなかった。部屋には窓があるが、非常時には窓から逃げろというのか、と不安になった。温泉水を持っていかな...
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