島根県の田舎の漁村に宿泊する、という前提で考えている方にとっては、最高の宿だと思います。
まず、立地が最高でした。目の前には海、そしてその向こうには大山が望めます。訪問時は、冬の山陰としては奇跡的な晴天に恵まれており、朝には海と大山をバックに昇る日の出、夜には満天の星空と、海に映った堤防の常夜灯の灯りがとてもきれいでした。また、目の前の港では魚釣りが楽しめました。
次いで部屋や施設については、建物の古さは否めないため、館内は薄暗く、綺麗といったイメージとはかけ離れていました。しかし、もともとこういう旅館には、そのような綺麗さや洗練は求めていませんでしたので、逆に旅のイメージに合った、落ち着く場所という印象でした。
そして何よりも、宿の方の人柄が、建屋の古さをカバーして余りある魅力的なものでした。目の前の港で釣った大量の小あじを持参したところ、もう時間が遅いにも関わらず、すぐに調理してくれ、人生で最も美味しい南蛮漬けをいただけました。(ただ、訪問した日がたまたま他の宿泊客の方がいらっしゃらず、手すきだったのかもしれないことを付け加えておきますが…)
また、食事の前後やチェックイン/アウトの際などにも、気さくに話をしていただき、いい意味で田舎の家族的な雰囲気に触れられ心地よい滞在となりました。
そして、なんといっても食事です。今回の訪問は、カニを食べに行く、という大目的があったのですが、この地を選んだ甲斐がありました。通常のカニプランにオプションでさらにカニをプラスしてもらいましたが(この追加料理を予約する際の電話での親切な対応もすばらしかったです。)、同地域の他の旅館より非常に安かった割りに、松葉ガニ、ベニズワイガニをたらふくいただけました。特に松葉は、活きたものを使用しており、ボリュームも満点で最高の食事でした。食器が和洋折衷なところなどはご愛嬌。また、かに以外の通常の食事の刺身やブリの煮付けも、魚の鮮度が良いのか、満足できるものでした。
とにかく、ゆったりとした田舎の空気と美味しい食事を楽しみたい方にはお勧めの宿で、好き嫌いが分かれるところかもしれません。洗練されたサービスや、綺麗な旅館や温泉を期待される方には、マッチしないと思います。
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