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ニースで過ごす充実の3日間

Chrissie McClatchie
著者:Chrissie McClatchie2024年3月27日 14分で読める
フランス、ニースのプロムナード・デ・ザングレ
プロムナード・デ・ザングレ
画像提供: John Harper/Getty Images

地元の人に尋ねてみると、ニースは10年前とは様変わりした、と口々に話してくれるはず。かつて砂利道だった通りが、流行に敏感な人々が集まるスポットになったり、意外な場所に、トレンディなエリアができたりしています。また、長い間閉鎖されていた駅が、今では魅力的な飲食店になったり。料理に関して言えば、パリから来た若手シェフの軍団がレストラン・シーンに新鮮な動きを与えています。

この3日間の旅行プランは、活気溢れるニースにスポットを当て、魅力的なブランチや賑やかなナイトライフをご紹介します。ビーチや博物館・美術館も外せません。ニースでの時間を最大限に満喫できるよう、トリップアドバイザーの口コミと評価も一緒に紹介しています。それらを参考にして、旅行者イチ押しのスポットをおさえましょう。

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1日目

フランス、ニースにあるル・ネグレスコのピンクのドームの外観
ル・ネグレスコ
画像提供: Nick Page/Unsplash

午前:クロワッサンと100年前の歴史ある建物

クロワッサンとバゲットの国、フランス。訪れたからには、朝食は絶対に外せません。ニースの街角のあちらこちらにベーカリーがありますが、ラベンダー風味のクロワッサンを作っているのはブーランジェリー・ロワ・ル・キャピトルだけ。近所のお店、といった感じで気取らない雰囲気のこのベーカリーは、ピンクのオニオンドームが目印となるル・ネグレスコから1本道を入った所にあります。1912年から佇む、この5つ星ホテルは、市内屈指のベル・エポック建築の1つとなっています。

ル・ネグレスコが位置するのは、ニースの有名なウォーターフロントの大通り、プロムナード・デ・ザングレの一等地。街の中心部に向かって東に向かうと、広くて平らな遊歩道があり、自転車やジョギングをしている人たち、ローラーブレードをする人の姿も見られます。「ザ・プロム」と親しみを込めて呼ばれるこの場所は、オープン・エアのアート・ギャラリーになっています。自由の女神像の小さなレプリカや、今やこのエリアのシンボルとなっている青い椅子をアーティスティックに表現したラ・シェーズ・ブルー・ドゥ・サブなど、注目すべき作品が多数。

旅行者の感想: 「7kmのプロムナード・デ・ザングレでは、紺碧の地中海の素晴らしい景色を眺めながら、美しい海沿いを散歩や自転車で散策できます。リラックスしながら、爽快な気分で楽しめます。プロムナードからは、趣のある旧市街のほか、ニース・オペラハウス(正面には自由の女神像のミニチュア)、マセナ博物館、美術館などの主要な観光スポットへもアクセスが便利。もちろん、近くのカフェやビストロでは、美味しいコーヒーやクロワッサンを楽しめます。」 —@Kvasir

午後:大砲とアイスクリーム

ニースは、真昼の大砲の伝統が今でも残っている、世界でも数少ない都市の1つです。ドーンという音が聞こえてきても、どうぞ驚かないでください。大砲の音はほとんどの住民にとって、何をしていたとしても、休憩をして昼食に行く合図です。オールド・タウンのヴュー・ニースにはたくさんの選択肢があります。歩行者専用の狭くて迷路のような路地では、ニース風料理で長年愛されているアッキアルドがあります。メルダ・デ・カン(スイスチャード入りニョッキを指す、意味が分かるとちょっと尻込みしてしまうユニークな名前)のような料理に尻込みする必要はありません。ここでのデザートはパスして、すみれやジャスミンなど、独創的なフレーバーのアイスクリームが食べられるフェノッキオの行列に加わるのがおすすめ。

アイスを味わいながら、イタリア風のオールド・タウンを散策してみては。生パスタから古着まで、何でも揃うショップの数々の間に、17世紀の貴族の館を丁寧に保存したパレ・ラスカリスへの入口があります。

壁一面に描かれたフレスコ画を堪能した後は、近くのロセッティ通りへ向かい、キャッスル・ヒルに向かって登り始めます(ポンシェット通りには無料のエスカレーター有り)。この岬の高台からは、ヴュー・ニースのテラコッタの屋根を見渡すことができます。キャッスル・ヒルは現在、かつての要塞の面影を残す緑豊かな公園になっているので、散策するのに特におすすめです。

夜:アペリティフと伝統的なビストロ

アペロとも呼ばれる食前酒のアペリティフを楽しむのは、ニースの伝統です。レ・ポンシェットのビーチフロントのバルコニーで、大勢の人に混じって食事を楽しんでみては。元々は古い釣り小屋だった建物が、今ではウォーターフロントの人気バーが建ち並ぶ場所に生まれ変わりました。バベル・バベルでは、独創的な地中海スタイルのカクテルを味わえます。

バーやレストランが人でいっぱいになり、雰囲気が変わっていく様子は一見の価値あり。ヴュー・ニースは、ぜひ一度は滞在してみて欲しい街です。地元の「レストラン皇帝」ことArmand Crespo氏は、近隣エリアでビストロ・スタイルのレストランを数軒経営しています。雰囲気のあるル・ビストロ・ダントワーヌは、同氏の原点とも言えます。ル・コントワール・デュ・マルシェは市場の新鮮な食材が自慢。バール・デ・ゾワゾーは楽しい雰囲気で、お財布に優しい価格設定となっています。

プロムナード・アンド・ヴュー・ニース・エリア・ツアー

少し足を延ばしてでも訪れたいスポット

2日目

フランス、ニースのレ・アジタトゥールのアスパラガスの一品
レ・アジタトゥール
画像提供: Management/Tripadvisor

午前:マーケット歩きと地元のグルメ

朝は地元の人たちに従って、リベラシオン駅のすぐ北、落ち着いた雰囲気のリベラシオン地区にあるマルシェ・ド・ラ・リベラシオンへ。各地の果物や野菜の生産者がここに集まり、月曜日を除く毎日、新鮮で香り高い農作物を販売しています。中にはチーズや肉を売る屋台もあります。キオスク・ティン・ティンは、朝の風景を眺めながら、コーヒーやパン・バニャット(ニース風サラダのサンドイッチ)で一息つける場所です。

旅行者の感想: 「マルシェ・ド・ラ・リベラシオンは最高です。毎日開かれる、観光客向けの小さなサレヤ広場の市場より安いので、本格的な食料品の買い物をするならここです」 —@KathmanduMazza

午後:フードホールと香りのよい庭園

シミエ美術館に向かう前に、リベラシオンでランチを楽しむのがおすすめ。古い駅舎が賑やかなフードホールに生まれ変わったガール・デュ・シュッドでは、世界各地のストリートフードを堪能できます。郊外にあるラルトラ・カーサは、シャルキュトリーやチーズのシェアプレート、そしてこの街で一番のアペロール・スプリッツで人気です。

ここからシミエにあるマルク・シャガール国立美術館までは徒歩15分(または車ですぐ)です。常設展の中核をなすシャガールの「ビブリカル・メッセージ」シリーズの17点を鑑賞した後は、さらに北に進み、マティス美術館でもうひとりの巨匠の作品を鑑賞できます。(シミエ大通りに沿って北へ徒歩15分)。アレーヌ・ド・シミエ庭園内のオリーブ畑とローマ時代の遺跡に囲まれたジェノヴァのヴィラという環境は、館内のアートと同じくらい魅力的な観光スポットです。隣接するシミエ修道院庭園もお忘れなく。バラの香りが漂う修道院の庭園です。

夜:賑やかなボナパルト地区、バー、スポールブール

かつては砂利道だった街の一部が、今では流行の発信地へと変貌を遂げたボナパルト通り。夜になると賑わいを見せ始めます。パリのボヘミアン地区にちなんで、ル・プティ・マレ・ニソワと呼ばれるこの遊歩道は、プライド・フラッグの虹色に彩られています。新しいレストランが頻繁にオープンしていますが、カフェ・ポーレットは一貫して美味しいビストロ料理で長年の人気を誇り、レ・アジタトゥールはミシュランの星を獲得しています。古い電気用品店を改装した薄暗いバー、ル・コントワール・セントラル・エレクトリックで一杯飲んだり、ラ・ブーリスタリー・クラブでニース産のビールを飲みながら、スポールブールに挑戦したりするのもおすすめです。

リベラシオンとシミエ地区ツアー

  • ニースの7つの丘を巡るEバイクツアーでは、シミエ山への上り坂も楽に登ることができます。このツアーは2日目の旅程でご紹介した場所を、逆の順番で巡ります。
  • マルク・シャガール国立美術館とアレーヌ・ド・シミエ公園を巡るなら、シミエを巡るウォーキングツアーでマリーナさんにガイドしてもらって。
  • カナダ生まれの作家ローザ・ジャクソンは、この街のグルメを紹介した料理本を出版しています。リベラシオン市場のツアーを率いるのにこれ以上の適任者はいません。彼女はヴュー・ニースにあるレ・プティ・ファルシ料理学校でも教室を開講しています。

少し足を延ばしてでも訪れたいスポット

3日目

フランス、ニースのホテル・アストン・ラ・スカラのルーフトップ・ダイニング
ホテル・アストン・ラ・スカラ
画像提供: Management/Tripadvisor

午前:ボリュームたっぷりの朝食と最高級のアンティーク

ニース港では、まずはコンメ・アン・ディマンシュで潰したアボカドをのせたトーストか、卵とベーコンのフランス風ロールパンを味わって。ここのオーナーは、オーストラリア風の朝食文化をニースで提供しています。角を曲がったところにあるロビラン通りには、蚤の市が集まるレ・ピュス・ド・ニースの入口があります。珍しいグッズが所狭しと並んでおり、ここでしか手に入らないおみやげをきっと見つけられるはず。壁に飾られたパトリック・モヤなどのニソワ地区のストリート・アーティストの作品にも注目です。アントワーヌ・ゴティエ通りから数分の場所にある、アンティークショップが軒を連ねるセギュラン村で、ぜひ宝探しを続けてみて。

午後:穴場ビーチと海辺のハイキング

軽めのランチなら、ニース港の裏手、バヴァストロ通りにあるシェ・ピポに立ち寄ってみては。香ばしいひよこ豆のパンケーキ、ソッカの熱々を、冷えたプロヴァンス・ロゼワイン(地元の人がするように、氷を2、3個入れる)と一緒に食べれば、これほど美味しいものはありません。

昼食後は港の東側に向かってみて。そこでは、ポワントゥスと呼ばれる伝統的な木造漁船が見られるかもしれません。カフェ・デュ・シクリストでのコーヒーでひと息付いた後は、海岸のカーブに沿ってココ・ビーチへ向かいます。人混みから離れた場所にある岩場の多いビーチは、実は地元の人が観光客にあまり教えたくない穴場スポット。

旅行者の感想:「ココ・ビーチはビーチではありません。石の階段や鉄のはしごで海に降りて泳ぐための岩が集まった場所ですが、それも魅力の1つです。高級なビーチクラブも、行商人も、派手なスピードボートもここにはありません。ニース港の景色を眺めながら泳いでから、平らな岩を見つけて日光浴をするのにぴったりの小さな可愛らしいスポットです」 —@キャロラインQ

泳げる天気であれば、午後をここで過ごすのもよし、サンティエ・デュ・リトラルの海岸沿いの小道進み、岬のすぐ近くにある美しい漁村ヴィルフランシュ・シュル・メールまで行くのもおすすめです(ニース港から607番または15番のバスでもアクセス可)。トレイルの一部はかなり狭くなる場合があるので、適切な靴を履いて行くことをおすすめします。帰りは大通りを歩いて戻るか、逆方向の同じバスに乗ってニースに戻ることもできます。

夜:屋上の景色とロマンチックなカクテル

ニース滞在の締めくくりには、市内有数のおしゃれなルーフトップバーで乾杯を。ホテル・アストン・ラ・スカラアナンタラ・プラザの2軒からは、特に美しい海の景色を眺めることができます。ディナーは、トレンドに敏感な人たちに混じって、ギリシャ料理を提供する屋内の中庭レストランがあるホテル・アムールで。ここのカクテルは、「ロミオとジュリエット」や「ボニーとクライド」など、恋人にちなんだ名前が付けられています。

ニース港エリアでのツアー

少し足を延ばしてでも訪れたいスポット

出発前にチェック


7月と8月には、ニースを訪れる人々の数がピークに達します。ヴュー・ニースの通りに人が少なめの5月、6月、9月がおすすめだとよく言われますが、実はこの街がおしゃれな海辺のリゾート地として評判になったのは、冬の時期がきっかけです。ニースのカーニバルなどの多彩なイベントで、オフシーズンも存分に楽しめます。



土曜日に営業しているお店は、代わりに月曜日に閉まっていることも。多くのバーやレストランでも同様です。市内のおしゃれなレストランは平日しか営業していないところもあるので、旅行が週末になる場合は事前に確認しておいて。マティス美術館やマルク・シャガール国立美術館など、多くの美術館や博物館は火曜日が定休日です。



ほとんどのショップは午前9時~10時に開店し、午後5時~6時の閉店です。正午から午後2時までは昼食のため一時閉店する場合がほとんど。レストランの厨房は、正午から午後2時までと午後7時から10時までと営業時間が決まっていることを覚えておけば、食べそこなうことはまずありません。



プロムナード・デ・ザングレ地区: ニースのウォーターフロントを拠点にすれば、1日目の旅程もスムーズにスタートできます。プロムナード・デ・ザングレにはベル・エポック様式のホテルが並びますが、中でもル・ネグレスコは折衷様式の壮麗なホテルで、各部屋が芸術作品のようです。(注:5つ星評価、ということは、お値段も同様に5つ星。)そのすぐ先には、洗練されたワインバーや高級レストランが集まるエリア、カレ・ドール地区があります。ここでおすすめなのはアローム・ホテル。スタイルにこだわるフレンドリーなイタリア系フランス人のカップルが経営しています。

ジャン・メドサン: 街のメイン・ショッピング・ストリートであるジャン・メドサン通りは、立地的には1日目と2日目の旅程の間に位置します。北の端には、明るいスタイルの部屋とフレンドリーな雰囲気のホステル・オッズのような、お手頃料金のホステルも多数。ニースのノートルダム寺院の真向かいにあるメルキュール・ニース・センター・ノートルダムは、路面電車の沿線に近い便利なロケーションにあり、賑やかなルーフトップバーからはニースの街並みを上から楽しむことができます。

ニース港: 3日目の観光スポットを目と鼻の先で楽しむなら、ニースのおしゃれな港エリアがおすすめ。ココ・ビーチの真向かいにあるル・サン・ポールには、おそらくこの街で最もお得なウォーターフロント・ルームがあります。ボナパルト通りの中心部にあるホテル・ル・Gは、ボヘミアンなミックススタイルで、1階にはクールなバーがあります。



ニースの中心部は平坦で、海辺に向かって傾斜しているので、徒歩で移動するのにぴったり。ヴュー・ニースは歩行者専用エリアです。

公共交通機関:ニースではトラムとバス路線が充実しており、市内のほぼ全域をカバーできます。リーニュ・ダジュールの交通網は最近ペーパーレス化が進んでいます。初めて乗るときには交通カードを購入してください。

自転車: ニースの電動自転車システムは市内に100か所以上のピックアップ・ポイントを備え、スムーズに自転車を借りることができます。アプリをダウンロードして、最寄りのピックアップ・ポイントを見つけましょう。

タクシー: メータータクシーは高いことで有名で、所定のタクシー乗り場でしか乗車できません。もう少しコストを抑えたい時はUberを活用しましょう。

空港からの移動手段: ニース・コート・ダジュール空港からニース中心部までのタクシー料金は一定料金ですが、多くの場合、Uberを使うとコストを抑えられます。また、両方のターミナルから低料金のトラムが出発しており、ニース港までの所要時間は25分です。