アガメンノーネ・ザッポリ通りのアパルトメントから斜塔へ向かうときに利用するグリェルモ・オベルダン通りの半ばぐらいにあったのがサン・マルティーノ教会ですが、地元の観光案内にはキエーザではなくバジリカとなっていて、確かにとても広く大きな堂内でした。 最初にファサードを見た時に印象的だったのが、身廊と左右の側廊にそれぞれ対応するファサードの上部に並んでいる三つの白い十字架で、バラ窓や小窓だけならよくありますし、十字架は切妻の頂点か、ファサードにある場合は中央のバラ窓の上にあるのをよく見かけます。 堂内へ入場し側廊の礼拝堂から主祭壇や聖具室へとぐるりと見学していくと、皆さんが書いている通りにまるで美術館のように思える祭壇画や彫刻が並んでいます。いずれも立派かつ貴重なもので、この系統のものに興味や関心のある人には嬉しいものが多いです。 中でも特に目を引いたのが右側廊の２つ目のと３つ目の礼拝堂に間の柱に描かれていた、ダルマシオ・スカンナベッキの「聖オノフリオ (Sant'Onofrio) 」というフレスコ画でとても異彩を放っていて印象深かったです。息子のリッポ・ディ・ダルマシオの「聖母子」とともに、やはりジョットの影響が強いのでしょうが、「聖オノフリオ」は格別のものを感じました。ダルマシオとその息子リッポ・ディ・ダルマシオの作品はここボローニャの国立絵画館で何点か見られますが、サン・マルティーノ教会にもあることは訪れるまで知りませんでした。

このサン・マルティーノ教会は13世紀初めに建設されて14世紀に完成しました。ゴシック様式のような教会です。バラ窓が印象的です。