通りに面した教会の外観は実に見事で内陣の素晴らしさが期待された。があいにく会堂内は修復中で大きな足場が組まれていた。小雨だったこともあり唯一鮮明だったのは天井の小さくて丸いｽﾃﾝﾄﾞｸﾞﾗｽだった。グラスが天井に設けられた教会は初めての経験。主祭壇は薄暗くその前に吊り下げられていた大きな十字架上に据えられた磔刑像に照明がなされていた。内陣を飾る宗教画の殆んどは外されていたようだ。ただ巨大なコピーのフレスコ画が何点も身廊の左右に吊り下げられ、そのいずれもが極めて見事な出来栄えだった。なおこの教会には回廊に囲まれた中庭が付属しており、緑豊かな草木と色とりどりのバラが咲いていた。回廊の壁がまっさらでなかったらここはお薦めだったのだが・・・。

　インフォーメイションの紹介で特別に牧師さん(？)に案内をしていただき礼拝堂のフレスコ画を観ることが出来ました。側廊が修復中のためか内陣はガランとした状態。ところが礼拝堂に入ると壁面すべてがフレスコ画。特にマリアの生涯を描いた数点は素晴らしく、柔らかな表情のマリアの姿が心に残りました。ルネッサンス時代の画家の作品でダヴィンチと出会いかなり影響を受けたそうです。また、「受胎告知」など多くの見逃せないフレスコ画がありましたが、残念ながら撮影禁止でした。帰り際、内陣側廊に一連の素晴らしい絵画のコピーに気付き、尋ねますとヴァラッロの教会にあるフレスコ画の一部だそうです。牧師さんの薦めと駅前にホテルがあるなど親切なアドヴァイスを受け、ぜひ訪れたいと思いながら退出しました。そして今、ヴァラッロ訪問が実現し、帰国したばかりです。大変な思いをしましたが、実に素晴らしいフレスコ画に出会え、最高の気分です。