中央区日本橋室町の「熈代勝覧の複製絵巻」についての情報を発信していきます。「熈代勝覧の複製絵巻」を訪れたのは2023年1月13日です。
「熈代勝覧の複製絵巻」は、東京メトロ銀座線・半蔵門線「三越前駅」の地下コンコース内の「日本橋三越本店本館」の地下中央口付近にあります。「熈代勝覧の複製絵巻」は、200年前の日本橋が克明に描かれた貴重な絵巻物で、この絵巻には「熈代勝覧 天」と記載されており、「天地人」の全三巻の可能性がありますが、他の巻は現在所在不明です。「熈代勝覧」絵巻とは、文化2年(1805年)頃の日本橋から今川橋までの大通り(現在の中央通り)を東側から俯瞰し、江戸時代の町人文化を克明に描いた貴重な絵巻物(作者不明)で、原画は「ベルリン国立アジア美術館」に所蔵されています。名橋「日本橋」保存会および日本橋地域ルネッサンス100年計画委員会は、日本橋を訪れる人々に街の魅力を実感していただくために、約17メートルにわたる「熈代勝覧」の複製絵巻を、平成21年(2009年)に東京メトロ「三越前」駅地下コンコース壁面に設置しました。「熈代勝覧の複製絵巻」の全体サイズは、「長さ」が16.8m、「幅」が1.53mあり、絵巻の前面にガラスを設置し、上部からLEDで内照しています。「熈代勝覧」とは、「熈ける御代の勝(すぐ)れたる景観」という意味で、絵巻には沿道にある88軒の問屋や店に加え、行き交う1,671人、犬20匹、馬13頭、牛4頭、猿1匹、鷹2羽ならびに屋号や商標が書かれた暖簾、看板、旗、などが克明に描かれています。なお、1806年の「丙寅の大火」で建物の多くは焼失したとされており、その直前の貴重な記録といえます。
【一口メモ】
所在地 東京メトロ「三越前」駅地下コンコース壁面に常設