メルボルンの細い路地は、発見と楽しさで溢れています。散策で疲れた足を休ませているときも、路地で過ごした時間が想像力をかき立てます。都市の中心部から伸びるこれらの通りには、カフェ、バー、レストランやブティックが立ち並び、話し声とエスプレッソ コーヒーの香りでいっぱいです。次の曲がり角の先には、何が待ち受けているでしょうか？石畳の小道、古いビール樽けん引機、もしくは、大きな鍋で煮込まれた熱々のオーガニック スープかもしません。思いもよらない発見が待っているはず。ストリート アートはベルリンを、パラソルの広がるカフェはパリを、思いがけない場所に潜んでいるレストランはローマを思い起こさせます。休憩するなら、ヤラ川を渡ってサウスバンクへ。遊歩道を歩き、川岸にたたずむバーで日向ぼっこをしながら次の行き先を決めましょう。すぐ近くにあるカジノを目指すのもよし、メルボルン シアター カンパニーのチケットを予約するのもよし。

ナイト クラブに繰り出す前に、期待を裏切らないおいしい食事でお腹を満たしたいなら、地元の人おすすめのチャイナタウンへ。賑やかなこのエリアでは、一世紀以上前の移民たちの時代からしっかりと保存されてきた建物の数々が、中国王朝時代の雰囲気を漂わせています。甘いソースを絡めた熱々のエビ料理。リトル バーク ストリートに立ち並ぶレストランでは、そんなお値打ちのおいしい一皿に出会えるはず。昔ながらのレシピを守る家族経営のキッチンでは、貫禄のある女主人が目を光らせています。垢ぬけない照明、騒々しい常連客、素っ気ないサービス。それでも料理は一級品です。

ブロックから切り出された本物のパルメザン チーズを、パスタの上でお洒落に削り落として供される料理を堪能したいなら、目指すのはライゴン ストリート。このエリアは、ごく最近まで、マフィアに似たグループの悪名高き「カールトン クルー」の根城でした。1 日の始まりに地元のエスプレッソをたしなんでいた彼らはもういませんが、エスプレッソ文化は、このリトル イタリーに強く根付いています。誰もが楽しめるこのエリア。本場イタリアの流儀で提供される、パリッとした白いテーブルクロス、キャンドル、そしてピザには、隠し味に愛情も少々。ジェラートのフレーバーはよりどりみどりで、きっと迷ってしまうはず。広々とした歩道、大きな日除け、そしてずらりと並んだ満席のテーブル。屋外で楽しむ「アルフレスコ スタイル」の食事は、ヨーロッパを思わせます。食事をしなくても、人間観察をしながら散策するだけで満喫できる。そんなところも、イタリア流。

労働者階級が暮らしていたエリアに、流行に敏感な裕福な人々が移り住んできた街。二つの文化が融合し、ボヘミアンな労働倫理が色濃く見られるフィッツロイ。ブランスウィック ストリートとその脇道には、地元の服飾デザイナーや家具デザイナーが自分たちの作品を並べている小さなショップが店を構えます。専門書を扱う書店、ファンキーなレコード バー、良質のヴィンテージ品を扱う服屋が立ち並び、買い物するのはもちろん、見て回るだけでも楽しめます。ガートゥルード ストリートは料理とアート ギャラリーで有名。昔風のビリヤード台を扱っているお店もあります。エリアの少し外れに行くと、懐かしい小さなパブが今でも営業していて、昔ながらのサンデー ローストが味わえます。至る所にライブ ミュージックが流れ、ストリート パフォーマーの熱の入った演技は、チップを出して集中力を削いでしまうのがためらわれるほど。ジョンストン ストリートのスパニッシュ クオーターまで足を延ばせば、ストリート ダンスを見物できるかもしれません。オフビートなウォール アートに囲まれ、古いものと新しいものを併せ持つファンキーなこの街では、たくさんの楽しい出会いが待っているはず。