ホテルの顔であるはずのフロントデスクがエントランス正面になく、階段を昇った踊り場の片隅に。良く言えば、ヨーロッパの極小ホテル風のたたずまいとも言えるが、日本では初見。ドアマンやポーターがいるホテルではないので、チェックインするのに自力で探さざるをえず、うろうろ迷ってしまった。
客室は、いかにも地方の古いホテル、というおもむき。一見、今どきのホテルと比べると天井も高めでレイアウトが広めに取られているので快適かと思われたが……。
エアコンは個々の部屋での温度調節はできない様子。風量変更スイッチはあるが、完全に切ったりはできないよう。窓は開けられないので、自分好みに室温調整は難しい。最初は暑かったが、就寝中は少し寒かった。
ベッドは硬め。枕は小さく低めで1つずつ。代えの枕は部屋内には準備されていない。防音も甘めなのか、建物外の音が少し気になる。ホテルディレクトリも、セーフティボックスもない。昔の造りなのか、電源コンセントが少ない。
経年劣化による綻びもあちこち見受けられる。かつ、照明の球切れ、壁紙のはがれ、使えるはずのWi-Fiが不通、調度のほこり、じゅうたんのシミ汚れ、水回りの汚れ等々、手入れやチェックがきちんと行き届いているとは言い難く、さらに減点。
1階にはウェディングの撮影用かディスプレイかクラシックオープンカーが飾られていたり、生花が豪華に生けられているのと比べて、宿泊へのパワーの掛け方は「?」と感じた。そもそも10階建ての内、7階までがバンケット等で、宿泊は3フロアのみだから、リソース配分は言わずもがな。
外観の写真などを見て、お城のようなゴージャスなピカピカな客室を期待していくと、裏切られるかもしれない。今どきのビジネスホテルの方が、清潔で設備が整っている印象。駅から遠くなく、至近にコンビニや飲食店もあり便利だが、コスパも考慮して、再訪の際、候補に入るかどうか。