大沼（湖）公園に浸るため、函館市街からのショートトリップ（一人旅）で一泊。
「大沼公園近くで男一人がゆっくり出来れば良いか」くらいの軽いノリで予約。HPや旅行サイトを見ても、『線路脇で貨物列車の通過音が心地よい』『ご主人の手料理が道産品を上手く活かしている』『風情ある建物で静かな時間を味わう』と及第点レベルのコメント。ところが・・・
● 建物・施設について
築20年以上経った建物は全体的に古さは否めないが、水周りを中心にリニューアルされ至極快適。12㎡程度の客室（全８室が同じ設えかと）には、標準サイズのベッド２台・薄型テレビ・洋服掛けが備わるが、冷蔵庫は無い。
バス・トイレ・洗面所は共用であるが複数箇所（２ヵ所）有り、同宿のお客さんと出くわす心配はない。いずれも「これでもかっ！」と言えるくらい清掃が行届いており、綺麗好きな女性客にも受容れられそう。
● 食事について
素泊まり・朝食付き・二食付きが選べるが、ぜひ夕食・朝食を味わっていただきたい。私は年間30日以上ホテルや旅館・民宿に泊まるが、近所に飲食店が無いから仕方なくいただくのが常、しかも予想に違わず『カロリー摂取のためだけの食事』に終始することが殆どであった。
しかし久しぶりに「これは美味い！」と驚いた。宿主の仕込み段階からの綿密な計画と創意工夫が結実した品々が、タイミングと温度を見計らって順にサーブされる（夕食・朝食については添付画像を）。『地場産品を鮮度の良いうちに！』とのありふれた能書きを超えた世界、素材の旨みや食感を引出す絶妙な技を五感で体験することが出来た。
● 全体的にみて
宿主は「10数年前ここを引継ぐまでは、接客業・飲食業とは無縁でした」とのこと。しかし宿泊客全体を労う言葉掛け、シンプルで一切自慢のない料理についての説明、施設全体を快適に保つ繊細さは秀逸。宿主一人でのオペレーションゆえ、集客には余り積極的ではなく広告宣伝活動（ネットでの集客を含め）も控えめ。性別・年齢を問わず多様な人々が、ペンションハイネでの『至高の時間・空間』を実体験する日が来ることを切に望んだ小旅行となった。