古き良き純和風旅館なので、通路に段差が暗くて段差があったり、襖にシミがあったり、気になる所は多々ありました。でも、京野菜を中心としたお食事は創意と工夫があり、たいへん美味しい。また従業員の方々は皆親切で感じが良かったです。
その古さを楽しむという気持ちで泊まれば、満足です。

おばさんの女子会で一泊しました。

私は京都は近いので、京都では殆ど宿泊経験がありません。以前に美山山荘に泊まった事が
あるくらいです。今回は炭屋さんと言う事で宿泊しました。

感想はと言いますと、悪くも悪くも京都らしい、と言う事でしょうか。
京都と言えば、大阪人に取っては、気候が悪い、人が悪い、しぶちんで始末、となります。
それを体現すると、炭屋さんの様になると思います。

玄関からお部屋までは本当に掃除が行き届いていて、塵一つ埃一つ見えません。でもお部屋のドア
はおトイレのドアの様で、みすぼらしい物です。お部屋もどんなにしたらこんなに掃除ができるのだろう、と思いますが、お庭を含めて余りにも普通で何処かのお宅に泊まりに来た様に思います。

窓から見えるお庭も自然体と言えばその通りですが、造形的に気をつけている風は見えません。

お手洗い、お風呂も手を入れてリニューアルしてあります。
お風呂は狭くはありますが、檜も香しく使い心地が良くて、
さすが、と思われます。お手洗いもウォシュれっトでしたが、
ドアは昔からよくあるトイレの戸で隙間もあって、中の音は丸聞こえです。
客からの感性では無い様に見えます。

女将と思われる女性が挨拶に出られました。
着物も慣れてらっしゃる様ですので、そう思いました。
でも、女将かどうかも、お名前も名乗られませでした。
それに期待していた京言葉でもありません。
宿帳を書きましたので、名乗ったのは私達でした。
私達は彼女をどうお呼びして良いかも分かりません。
あの女性は何方だったのでしょうか？

そこから錦市場の見物に行きました。

夕食は６時から始めました。
お料理はかなり京料理として地味目でした。
色的に華やかではなかったのです。
でもお味は結構な物でした。
地味目ですので家庭料理っぽい品もありましたが、
お味はサプライズな品もありましたので、お料理にはまずまず満足致しました。
でも、ビールは生ビールはありません。ワインにしても銘柄を選べません。
高いお金を頂く宿は、やはりワインリストを持っていて欲しい、と思います。
最近はペンションでもワインリストがあります。

女将らしき女性からお部屋付きの若い女性に変わりました。
お顔立ちは美人ですが、着物も着慣れてらっしゃらないようですし、
やはり京言葉でもありません。それにやはりお名前も分かりません。
でも精一杯努めてらっしゃいました。

布団については特に文句があります。せんべい布団なのです。
私は腰痛持ちです。一晩寝ただけで腰に来ました。
歩いて観光する腰痛持ちには致命的な布団です。

朝ご飯も地味目な見栄えでしたが、結構なお味でした。
ハゼの焼き物等の焼き加減はやはり素人では無理だ、と思われました。

チェックアウト前のお抹茶は感激致しました。
でも、折角の京都だから、他のお菓子もあるでしょうに、と思いました。
高いお菓子かもしれませんが、貧相です。見栄えがしません。
　
朝の下足番の方は前の夕方の方とは違っていました。

丁寧な物腰でしたが、これが京都で有名な「上から目線」だな、
と理解しました。良い見物をしたと思います。
見送りも事務服を着た女性と昨夜からの部屋付きの方のおふたりです。
女将と思しき方も、宿の主人に当たるのではなかろうかと思しき
下足番の方もいらっしゃいませんでした。
まるで、民宿です。

京都らしい宿をご覧になりたければ冬に泊まってみられるのも一興、と
思われます。

美味しい物を食べて、周りのスタッフにサービスを受けて「非日常」を
楽しみたい方には向かない、と思います。